この記事のまとめ
・真珠が劣化する原因は汗、高温多湿、紫外線、酸性やアルカリ性が含まれる物によって引き起こされる。
・安価でピンク色・安価なのに傷がない・加工傷があるものは劣化しやすいので注意が必要
・パールケースに保管したり、使用後に汚れをすぐふき取るなど適正なお手入れと保管をおこなうことで長持ちする
華やかな雰囲気を演出してくれる真珠ですが、「普段は使わないなあ」「家のどこかに眠っているかも?」
といった方も多いのではないでしょうか。
私も以前ジュエリーショップで真珠ネックレスを購入しましたが、
実際に身に着けたのはデートの時数回と主人のご家族にお会いする時だけでした。
それ以降はケースにしまいっぱなしでタンスの肥やしになっています。
こんな経験はありませんか?
・久々に着けようと思った真珠がうっすら黄ばんでいた。
・遺品整理で汚くなった真珠が見つかった。
これらが起こるのは真珠に汗や汚れが付着したり、適切な保管環境が整っていないことがおもな原因です。
何かのタイミングで着けようと思っていた・大切な人が持っていた真珠がそんな状態だったら悲しいですよね。
この記事では真珠が劣化する理由と対策、お手入れ方法をご紹介します。
あこや真珠の寿命はどのくらい?
適切な環境で保管していた場合、真珠の寿命は2〜30年と言われています。
真珠は「生きた宝石」と呼ばれているためその管理は大変難しいです。
購入した時点で真珠の経年劣化は始まっており、劣化を遅らせることはできても進行を止めることは出来ません。
真珠を長持ちさせる方法を紹介。劣化や黄ばみを抑える正しい方法とは
がんばってお金を出して買った大切な真珠。長く愛用したいですよね。着用前にチェックするポイントや、真珠のジュエリーを身につける際に注意するポイントを厳選して紹介します。
真珠ネックレスの着用前に、糸の伸び・ワイヤーの折れを確認
真珠を身に着ける前に、まず糸の状態をチェックしましょう。糸が伸びてしまったり、ワイヤーが曲がってしまって、ネックレスがヨレてしまっていると、身に着けている時に切れてしまう可能性があります。ネックレスを曲げて0.5㎜ほど糸やワイヤーが見えたら交換のサイン。結婚式やお葬式で真珠が散らばってしまうと、拾い集めるのが大変なだけでなく、「縁が切れる」ことを連想させてしまうため未然に防ぎましょう。
真珠が散らばるのを防ぎたい人はオールノット方式がおすすめ。
通常時の糸替え料金と比べて若干高くつきますが、真珠ひと粒通すごとに糸を結んでいくため一か所切れても飛び散ることを防げます。
ジュエリー販売専門店で「オールノット方式をお願いします。」といえば交換可能です。
パールネックレスは留め具(クラスプ)の劣化にも要注意!
20年以上前のパールネックレスに使われている留め具は接着剤の使用が多く見られます。そのため経年劣化は避けられません。接着剤は劣化するとネックレスが知らぬ間にはずれることで紛失につながります。
ビーンタイプやマグネットタイプの留め具が主流になってきているため違和感を覚えたらすぐに専門店で交換しましょう。
【写真付き】経年によって劣化した真珠の特徴
劣化した真珠を着用し続けると最悪の場合、着用不可能な状態にいたります。しっかりと劣化した真珠を把握して対策しましょう。
1.黄身がかる
経年劣化によって真珠の内側に含まれるタンパク質が変性して黄身がかっててしまうのです。
2.穴口が割れる
着用するうちに穴口の摩擦や真珠の乾燥によって割れることがあります。安価な真珠によく見られる現象です。
3.表層のはがれ
何らかの理由で真珠に含まれる水分が失われ亀裂などが入ると、そこから表層割れにつながることがあります。
上記の写真から分かるように、真珠が劣化してくると輝きがなくなり、黄ばむなど変色が起こり最悪の場合着用できなくなります。
【解説】真珠を劣化させる主な原因
真珠を劣化させる要因は日常に数多く潜んでいます。事前に知ることで真珠へのダメージを防ぎましょう。
1.汗による影響
汗は酸性の度合いが高く、真珠の使用後に汗がついたまま放置すると変色する原因になってしまいます。
2.酸性やアルカリ性が含まれる物もパールを溶かす原因に
酸性やアルカリ性が含まれる物の代表例
・マニキュア
・ヘアスプレー
・香水
・化粧品
・オレンジジュース
・温泉
・水
以上のような物を放置していると、真珠本来の色や照りが分からなくなるほど劣化が進んでしまいます。
3.高温
真珠にとって最大の敵は「高温多湿」です。長時間高温にさらされると、真珠の内部に含まれる水分が蒸発し、亀裂や断層が生じる可能性があります。これが真珠の割れにつながるため注意が必要です。
また、高温は真珠の成分のひとつであるたんぱく質の変質を起こし、色味を変化させる恐れもあります。
4.紫外線
真珠はカルシウムとタンパク質の膜が交互に積み重なっており、熱や光、紫外線、湿度などの影響を非常に受けやすいです。長時間の直射日光は避けましょう。ただし、直射日光下であっても短時間であれば夏も問題なく使用できます。
5.湿度
湿度の高い環境も真珠の劣化を進める大きな原因になります。運動時や通勤時など汗をかくかとが考えられるシーンでの着用はあまりおすすめできません。
どうしても着用しなければならない場合は専用のクロスを携帯し、汗が付着した場合はこまめにふき取るようにしましょう。
【今すぐできる】真珠のお手入れ方法
真珠本来の輝きを美しく保つためには、身につけた後のお手入れがとても重要です。適切なケアをすることで、真珠の劣化を予防することができます。
1.リフレッシュクロス、乾いた柔らかい布で真珠をふき取る
使用後は真珠専用のリフレッシュクロス、乾いた柔らかい布で真珠をふきましょう。
長期間使用しない場合でも、週に一回程度拭くと真珠の美しさを保てます。
リフレッシュクロスの中には研磨剤が含まれた物もあるため、真珠の層を必要以上に削る可能性があります。
おすすめのリフレッシュクロスはこちら
2.もし酸性の液体が大量についてしまったら・・・
通常、真珠のメンテナンスでは水洗いは避けるべきです。
しかし大量に酸性の液体が付着してしまった場合は速やかに水洗いし、拭き取った後、真珠を扱っているお店や購入店で糸替えの対応をしてもらいましょう。
糸替えは3~6000円程度でできます。
3.パール専用の保管ケースに入れて保管する
以前までは桐箱が主な保管アイテムでしたが、現在では「パールキーパー」をはじめとした真珠専用の保管ケースが主流となっています。
真珠はパールケースに入れて、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管しましょう。
おすすめのパールキーパーはこちら
4.真珠の保管には冷暗所が最適
真珠にとって高温多湿の環境は大敵。パールキーパーに入れて直射日光の当たるところに置いていては本末転倒。貴金属や色石とは違い繊細な真珠の置き場所は、風通しのいい冷暗所を選びましょう。
5.定期的に糸替えやクリーニングを専門店でおこなう
着用する予定の1カ月前に専門店で超音波洗浄などのクリーニングを受けましょう。糸が伸びるとその繊維が損傷している状態、またワイヤーが曲がっていると切れる前兆といえます。ネックレスを曲げて0.5㎜ほど糸やワイヤーが見えたら交換のサインです。とはいえ、真珠のネックレスを使うのは突然な場合がほとんど。3カ月に1度専門店でプロによるメンテナンスを受けましょう。
ワイヤーと絹糸どちらがおすすめ?
筆者が扱った真珠のネックレスを振り返ると、圧倒的に絹糸が多い印象です。着用感にこだわる方は、絹糸のほうが柔軟性に富み体にフィットします。耐久性重視であればワイヤーを選びましょう。
【買って後悔!】劣化しやすい真珠の特徴
真珠も私達と同じ生き物です。いくらお手入れしても進行してしまう僅かな劣化。
そもそも経年劣化に弱い真珠があり、適切に保存しても劣化してしまう真珠があります。
①安すぎるピンク色の真珠
安くて照りがなく全体が過度にピンク色の場合は調色過剰の可能性があります。
穴口がよく染まるため濃いピンク色になっている可能性があります。
②安くて傷のない真珠
巻き(真珠層の厚み)が薄い可能性があります。巻きが厚いと丈夫ですが、傷が増える傾向にあります。薄巻きの真珠は、白く濁った見た目をしています。
③加工キズがあるもの
加工キズとは加工工程で出来たキズのことです。浜揚げのあと、加工処理(染み抜きや調色)などをしてゆく過程で人為的な要因により発生してしまうキズです。
穴口の割れ、表面のただれ、白い筋や斑点が出てしまうなど、始めは分かりにくかった照りの喪失も経年と共に進行してゆくことがあるので要注意が必要です。
真珠本来の輝きを取り戻そう。光沢を復活させる方法とは
どれだけ気を遣って使用していても、ある程度の劣化は防げません。次の方法で真珠本来の美しさを取り戻しましょう。
ひと粒ずつ丁寧に磨き上げる「パールリフレッシュ加工」
パールの表面が白くなってしまったり、テリが失われてしまったと感じたらパールリフレッシュ加工を受けましょう。パールリフレッシュは、専用の機械を用いて真珠の表面が汚れによって溶解した真珠層を磨き整える加工を施します。古い玉ねぎの皮を一枚剥いたように中のきれいな真珠層が表面に露出するため、美しいテリが回復する可能性があります。真珠を磨くといっても1000層以上ある真珠層を1〜2層程度をピーリングする加工ですので、真珠が小さくなる心配は不要です。
真珠の耐久性向上に。「マイクロパーマネント加工」
真珠が白くなる原因として、真珠層に亀裂や割れが生じていることが挙げられます。この割れをカバーし本来の輝きに戻すのがマイクロパーマネント加工。これは真珠についた細かい亀裂に高分子化合物を含侵してテリと透明感を回復させる方法で、耐久性も向上させることができます。古い絵画や美術品の修復作業にも使われる安心できる技術です。
「劣化させたくない!」人におすすめなのはタサキやミキモトの真珠
「とにかく劣化させたくない!」そんな人はタサキやミキモトのネックレスを選びましょう。とくにミキモトは、他の真珠アクセサリーメーカーがひと粒ネックレスに使用するような高品質の珠でネックレスを作るため劣化につよく、まさに「一生モノ」と呼ぶにふさわしいです。
ミキモトの真珠は世界でも最高品質
一般的にひと粒ネックレスの真珠は、真珠のアクセサリーメーカーが「どの珠より最も優れている」と厳選した真珠が使われます。ミキモトはそのレベルの真珠を大量に買い付けるため日本屈指のブランドと呼ばれるのです。
真珠の劣化は止められない。真珠の相場が高騰している今が売り時!
一度劣化した真珠は完全に元通りになることはありません。時間の経過とともに真珠の価値は下がってしまいます。ただ、日本の真珠は海外で爆発的なブームになりつつあるのでいまが売り時です。とはいえ、いま持ってる真珠が売れるかわからないですよね。次の記事を読めば、あなたの真珠が高く売れるのかわかります!
真珠は生き物。大切に扱いましょう。
・真珠が劣化する原因は汗、高温多湿、紫外線、酸性やアルカリ性が含まれる物によって引き起こされる。
・安価でピンク色・安価なのに傷がない・加工傷があるものは劣化しやすいので注意が必要
・パールケースに保管したり、使用後に汚れをすぐふき取るなど適正なお手入れと保管をおこなうことで長持ちする