ブローチ 黒蝶真珠 買取 ｜パールブローチ 9gの買取実績

査定員のコメント

この度は、その深遠な色彩と、圧倒的な存在感を特徴とする黒蝶真珠（タヒチアンパール）のブローチの買取査定についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。お客様がお持ちの黒蝶真珠は、主にタヒチなど南太平洋の温暖な海域で育まれる黒蝶貝から生まれる真珠であり、その最大の特徴は、漂白や染色を一切施さない天然のブラック、グリーン、グレー系などの濃密な色彩にございます。この天然の色と、真珠層が厚く巻くことによって生まれる深く妖艶な光沢（テリ）が相まって、他に類を見ない最高級の輝きを放ちます。この壮麗な輝きがブローチとして胸元に最高の存在感と品格をもたらします。

ブローチの査定においては、一粒あるいは複数の真珠の品質に加え、台座（地金）の貴金属の資産価値とデザインの芸術性が査定額を決定づける最も重要な要素となります。真珠単体の品質に加え、以下の三つの要素が特に重要となります。第一に、真珠のテリ、巻き、キズといった品質が最高基準を満たしているか、特に色の濃さ、干渉色（ピーコックグリーンなど）の鮮やかさ、そして真円性、第二に、台座に使用されている貴金属（主にプラチナや金）の資産価値と、デザインの芸術的な完成度、そして第三に脇石として使用されているダイヤモンドなどの品質と、ブランドの付加価値でございます。ブローチは地金の重量が査定額に貢献する要素が大きいため、真珠の品質とデザイン性、地金価値の総合的な評価が重要となります。お客様の黒蝶真珠ブローチが持つ最高品質と、貴金属および脇石の価値を最大限に評価し、最新の市場相場に基づいた公正な査定額を算出するための判断基準を、この後、詳細かつ網羅的にご提示いたしますので、ご確認いただければ幸いです。

査定ポイント

黒蝶真珠（タヒチアンパール）のブローチの買取査定において、価格を決定づける主要な評価基準について、詳細かつ網羅的に解説します。

１．台座（地金）の貴金属の純度と重量の資産価値（最重要項目）

ブローチの査定額を決定づける最も重要な要素は、真珠の価値よりも、台座に使用されている貴金属の資産価値でございます。ブローチはリングなどに比べて地金が複雑に、かつ多量に使用されることが多いため、地金の貢献度が非常に高い製品です。台座やピンに、Pt900、Pt850（プラチナ）やK18、K14（金）といった貴金属の純度を示す明確な刻印が確認できることが、貴金属としての評価の絶対条件となります。これらの刻印がある場合、真珠本体を除いた台座の金属の正確な重量を計測し、その日の地金相場の高騰状況を反映した明確な資産価値として買取価格に組み込まれます。黒蝶真珠は、その色調からPt900、Pt850やK18ホワイトゴールドとの組み合わせが、デザインとして高く評価される傾向にございます。逆に、「SILVER」（銀）やメッキ製品である場合、地金としての価値はほとんど評価されないことになります。

２．真珠の絶対的な品質と天然色の希少性（色、テリ、サイズ）

ブローチに使用されている黒蝶真珠の品質は、その稀少な天然色によって決定されます。真珠のテリは、真珠層の透明感と巻きの厚さから生まれる奥深く、しっとりとした力強い照りが特徴です。真珠の表面が強く反射し、真珠の内側から光を放っているかのような妖艶な光沢を持つものが最高評価となります。黒蝶真珠の色調は、その干渉色の鮮やかさが極めて重要であり、ピーコックグリーンと呼ばれる、緑がかった濃い黒地に赤やピンクの干渉色が浮かぶ最も美しい色調が、最高級品として扱われます。この天然色の濃さと均一性が査定額を左右します。巻き（真珠層の厚み）が均一かつ極めて厚いことが必須条件であり、形状は真円（ラウンド）に極めて近いものが最高評価となります。黒蝶真珠は、一般的に9mm以上の大粒のものが多く、特に11mm、12mmを超える大粒で真円度が高く、ピーコックカラーを持つ真珠は、希少性が増し、高価で取引されます。複数の真珠が使われている場合は、真珠間のサイズ、色味、テリの均一性も重要となります。天然真珠であるため全くの無キズは困難ですが、肉眼で目立たないレベルのキズ（エクボ）であること、そして真珠層に剥げや深い摩耗がないことが重要となります。

３．デザイン性、脇石の品質と機能性

ブローチの場合、真珠の美しさを最大限に引き出す、伝統的で普遍的なデザインや、花や動物などをモチーフにした精巧なデザインは、高い評価の対象となります。台座に装飾されている脇石（ダイヤモンドなど）の品質評価も重要です。脇石にメレダイヤやその他の天然の宝石が使われている場合、その宝石の品質をカラット、カラー、クラリティ、カットの4C基準に基づき評価し、価値が加算されます。ピン（針）の曲がりやサビ、そして回転式の留め具のバネの強さやロック機能が正常であるかなど、構造的な機能性も厳しくチェックされます。

４．ブランド、鑑別書、コンディション（劣化状態）

最終的な買取価格は、真珠の客観的な証明と、製品全体の劣化状態によって左右されます。ミキモト、タサキなどの有名ブランドの製品である場合、ブランドの信頼性やデザイン料としてプレミアムが加算されます。信頼できる機関が発行した真珠鑑別書があり、真珠の品質や「ピーコック」などの希少な色味が明記されている場合、真珠の品質が客観的に証明され、査定額が飛躍的に高まります。真珠は汗や化粧品に弱いため、真珠表面のテリの消失、剥げ、ひび割れが見られる場合は、大幅なマイナス査定となります。