ミキモト ケシ真珠 神奈川 買取 ｜ネックレス 約7.9mmの買取実績

査定員のコメント

この度は、ミキモトのケシ真珠という、大変稀少で個性的な真珠製品を、この歴史ある箱根の地までお持ち込みいただき、誠にありがとうございます。

ケシ真珠は、母貝の中で偶然に育まれた、核を持たない真珠層だけの塊であり、その一つ一つが自然の力が作り出した「一期一会の造形美」を持っています。ミキモトが選ぶケシ真珠は、不定形でありながらも、その中にぎっしりと詰まった真珠層から生まれる、深みのある虹色のテリ（光沢）が最大の特徴です。

箱根・小田原エリアのお客様は、伝統工芸や自然の造形美に対する深い理解をお持ちです。ケシ真珠の持つ不完全な美しさや、自然の偶然性がもたらす力強い輝きは、まさに日本の侘び寂びにも通じる魅力があります。

以前、ケシ真珠のコレクションをご来店査定されたお客様が、「整いすぎた真珠にはない、この有機的な形が、和装にも洋装にも独特の優雅さを添えてくれる」と仰っていました。ミキモトの職人たちは、この予測不能な形を最大限に活かし、一つのジュエリーとして最高の調和を生み出しています。

私たちは、お客様の目の前で査定を行うにあたり、このケシ真珠が持つ「天然の希少性」と、ミキモトの「デザイン性・宝飾技術」を細部にわたり分析します。店頭買取という形で、お客様が大切にされてきたその物語のあるジュエリーに対し、最大限の評価額をご提示することをお約束いたします。どうぞ、ご安心してお任せください。

査定ポイント

私たちプロの査定員が、ミキモトのケシ真珠製品の価値を判断する際に、特に重要視する「天然の不揃いの美」を評価する専門的な鑑定基準を解説いたします。

1. ケシ真珠のテリと干渉色（光沢の深さ）

ケシ真珠は全層が真珠層であるため、そのテリの質は最高級の評価ポイントとなります。

• 光沢の質と深み：表面的な反射だけでなく、真珠層の重なりによって光が乱反射し、内部から湧き出るような、複雑な虹色の輝き（オリエント）があるかを厳しくチェックします。この「奥行きのあるテリ」こそが、ケシ真珠の高い価値の源泉です。
• 巻きの密度と均一性：ルーペで確認し、真珠層が非常に緻密に、ムラなく形成されているかを評価します。テリが強いだけでなく、真珠全体が均一な艶で覆われていることが重要です。

2. 形状（シェイプ）のユニーク性とデザインへの適合性

ケシ真珠の買取では、その「不揃いさ」がデザインの中でいかに魅力的であるかが鍵となります。

• 造形美と個性：個々の珠が持つ天然のユニークな形状が、ミキモトのデザインテーマを強化しているかを評価します。特に、ネックレスなどで不揃いの形状がリズミカルに連なり、全体として違和感のない「調和」を生み出しているものは、デザイナーズジュエリーとして高評価となります。
• 厚みとボリューム：形状が平たすぎるものは評価が控えめになります。ふっくらと厚みがあり、存在感のあるボリュームを持つケシ真珠は、希少性も高いため、より高額査定に繋がります。

3. 宝飾パーツの品質とミキモトのサイン

ケシ真珠を支える留め具や金属の品質は、ミキモトの製品としての価値を裏付けます。

• 貴金属の品質と刻印：留め具や台座に使用されているK18やPt（プラチナ）の刻印、そしてミキモトの「M」サインを確認し、その地金の価値を正確に評価します。
• セッティングの精巧さ：ケシ真珠の複雑な形状に合わせて、金属のセッティングが隙間なく、非常に丁寧な職人技で施されているかをチェックします。この細工の美しさが、ミキモト製品の付加価値となります。
• 穴口と摩耗の状態：ケシ真珠は穴を開ける位置がデリケートなため、穴口周辺に欠けやヒビ、摩擦による真珠層の剥がれがないかを細かく確認します。