タサキ（田崎） ブレスレット ケシ真珠 買取 ｜長さ：約18ｃｍの買取実績

査定員のコメント

お預かりしたケシ真珠のブローチは、まさにタサキの芸術性と素材へのこだわりを体現する、卓越した逸品でした。ブローチは、ジュエリーの中でも特にデザインの芸術性と、真珠一点の存在感が際立つアイテムです。

ケシ真珠は、貝の中で偶然に形成される無核真珠であり、一つとして同じ形がない、自然が作り出す唯一無二の形状と、非常に厚い真珠層（マキ）に由来する強いテリ（輝き）が最大の魅力です。お客様のお品は、ケシ真珠特有の有機的で複雑な形状を持ちながら、表面のテリが極めて強く、真珠層が光を乱反射して複雑な色合い（干渉色）を生み出していました。

京都のお客様は、ジュエリーを「美術工芸品」として、その歴史的・デザイン的価値をも評価されます。ケシ真珠のブローチの価値は、「テリ（輝き）の品質」と、それを支えるタサキのモチーフの芸術性、貴金属の品位に集約されます。タサキは、真珠の魅力を最大限に引き出すよう、高品位な貴金属（プラチナやゴールド）を贅沢に使用しており、その貴金属の資産価値も今回の査定額に大きく反映されています。

特に、このブローチは、真珠の表面に目立つキズがほとんど見当たらなかったこと、また裏側のピンや金具の機能が健全であったことは、大切に保管されていた証拠であり、最高額査定の重要な要因となりました。タサキのケシ真珠ブローチは、時を超えて価値を保ち続けるジュエリーです。今回の査定額は、その最高品質としての稀少性と、世界のジュエリー市場での強い需要を反映したものとなります。

査定ポイント

私たちプロの査定員が、お客様のタサキのケシ真珠のブローチの価値を判断する際、その稀少な真珠の特性とタサキというブランドの付加価値に基づいた、極めて厳格な専門基準で価格を決定しています。以下の5つの評価基準を具体的に解説いたします。

1. 「テリ（輝き）」の強さと「真珠層（マキ）」の品質

ケシ真珠は真珠層が非常に厚く、その結果、テリが格段に強いのが特徴です。そのメタリックでシャープな輝きの深さが品質を決定づけます。

• チェックポイント： 真珠全体を回転させ、光が表面に強く反射し、真珠の奥から輝いているかのようなテリの深さがあるかを確認します。表面の滑らかさと不規則な形状の美しさを評価します。

2. 「デザインの芸術性」と「ケシ真珠の活かし方」

ブローチの査定において、真珠の品質と並んで最重要視されるのが、デザインモチーフの価値です。タサキの貴金属細工の緻密さとモチーフの芸術的価値を評価します。

• チェックポイント： モチーフに施された彫金や線細工の緻密さをルーペで確認します。真珠の不規則な形状が、デザインモチーフとして機能的に配置され、美しいバランスを保っているかを見ます。

3. 貴金属の「品位」と「総重量」による資産価値

ブローチ全体の貴金属（Pt900、K18など）の品位と総重量は、査定額の大きな要素となります。

• チェックポイント： ブローチ全体の貴金属の総重量を測量し、地金価値も評価します。裏側の金具に打たれたタサキのブランド刻印と貴金属の品位刻印が鮮明にあるかを確認します。

4. 裏側の「ピンと留め金具」の機能性と安定性

ブローチの機能の中核であるピン（針）と留め金具の耐久性は、ブローチの実用的な価値を左右します。

• チェックポイント： ピンの先端が曲がっていないか、ロータリーキャッチがスムーズに回転し、しっかりとロックされるかを確認します。真珠が台座にぐらつきなく強固に固定されていることも不可欠です。

5. 「瑕疵（キズ）」の極めて少ない完璧な表面

ケシ真珠は天然の凹凸が特徴ですが、後からついた擦り傷や摩耗が少ないことが重要です。

• チェックポイント： 高倍率のルーペを用い、真珠の表面全体に、真珠層に達する深いキズや、日常使用による擦り傷がないかを徹底的にチェックします。