タサキ（田崎） ブローチ 黒蝶真珠 買取 ｜10.3mm 11gの買取実績

査定員のコメント

お預かりした黒蝶真珠のブローチは、まさにタサキの厳格な品質基準を体現する、卓越した逸品でした。ブローチは、ジュエリーの中でも特にデザインの芸術性と、真珠の存在感が際立つアイテムです。

このブローチに使用されている黒蝶真珠は、タヒチ産の中でも特に稀少なグリーン、ピーコックグリーン、またはレッドの複雑な干渉色（オーバートーン）が、濃く、深く、均一に発色していました。光を当てると、真珠の表面にメタリックで重厚な強いテリが広がり、その力強い輝きは、真珠層（マキ）が極めて厚く、長期間にわたり大切に育まれたことの何よりの証です。

京都のお客様は、ジュエリーを「美術工芸品」として、その歴史的・デザイン的価値をも評価されます。黒蝶真珠のブローチの価値は、「テリ（輝き）」の品質と、それを支えるタサキのモチーフの芸術性、貴金属の品位に集約されます。タサキは、真珠の魅力を最大限に引き出すよう、計算し尽くされたデザインと、高品位な貴金属（プラチナやゴールド）を贅沢に使用しており、その貴金属の資産価値も今回の査定額に大きく反映されています。

特に、このブローチは、真珠の表面に目立つキズがほとんど見当たらなかったこと、また裏側のピンや金具の機能が健全であったことは、大切に保管されていた証拠であり、最高額査定の重要な要因となりました。

当店では、お客様にご来店いただき、その目の前で、このブローチの黒蝶真珠の稀少な色の根拠や、国際市場でのブランドの評価を、論理的かつ透明性をもってご説明する店頭買取を徹底しています。お客様が納得と安心を得られることこそが、私たちの最優先事項です。

タサキの黒蝶真珠ブローチは、時を超えて価値を保ち続けるジュエリーです。今回の査定額は、その最高品質としての稀少性と、世界のジュエリー市場での強い需要を反映したものとなります。

査定ポイント

私たちプロの査定員が、お客様のタサキの黒蝶真珠のブローチの価値を判断する際、その稀少な真珠の特性とタサキというブランドの付加価値に基づいた、極めて厳格な専門基準で価格を決定しています。以下の5つの評価基準を具体的に解説いたします。

1. 「テリ（輝き）」の強さと「干渉色」の複雑性

黒蝶真珠の価値は、そのテリ（輝き）の強さと、真珠層から現れる複雑な干渉色（オーバートーン）の美しさに集約されます。ブローチという一点勝負のアイテムでは、このテリの品質と深さが、真珠自体の価値を決定づけます。

• チェックポイント： 真珠全体を回転させ、表面にメタリックで強いテリが広がり、光源が鏡のようにシャープに映り込んでいるかを確認します。特に、稀少なピーコックグリーンやレッドなどの干渉色が濃く出ているかを見ます。

2. 真珠の「サイズ（大粒性）」と「真円度」

黒蝶真珠は大粒であることが価値の絶対条件です。ブローチとして、その大粒性と真円度（ラウンド）の完璧さが、ステータス性を高めます。

• チェックポイント： 真珠の直径（サイズ）を精密に計測し、大粒であるか（10mm以上が高評価の目安）を確認します。真珠を回転させ、歪みのない真球であるかを厳しく見ます。

3. モチーフの「芸術的価値」と「貴金属の資産価値」

ブローチの査定において、真珠の品質と並んで最重要視されるのが、デザインモチーフの価値です。タサキの貴金属細工の緻密さとモチーフの芸術的価値を評価します。

• チェックポイント： モチーフに施された彫金や線細工の緻密さをルーペで確認します。ブローチ全体の貴金属の総重量を測量し、地金価値も評価します。裏側の金具に打たれたタサキのブランド刻印と貴金属の品位刻印が鮮明にあるかを確認します。

4. 裏側の「ピンと留め金具」の機能性と安定性

ブローチの機能の中核であるピン（針）と留め金具の耐久性は、ブローチの実用的な価値を左右します。タサキ純正の金具の耐久性の保持を評価します。

• チェックポイント： ピンの先端が曲がっていないか、ロータリーキャッチがスムーズに回転し、しっかりとロックされるかを確認します。ピンの付け根にあるバネの強さが保たれているか。真珠が台座にぐらつきなく強固に固定されていることも不可欠です。

5. 「瑕疵（キズ）」の極めて少ない完璧な表面

大粒な黒蝶真珠において、表面の瑕疵（キズ）が少ないことは最高級品の証明です。ブローチとして、この完璧な表面状態が保たれていることが極めて重要です。

• チェックポイント： 高倍率のルーペを用い、真珠の表面全体に、エクボ（天然の凹み）や擦り傷などの瑕疵がないかを徹底的にチェックします。特に、真珠層に達する深いキズの有無を厳しく見ます。