ミキモト ブローチ 東京 買取 ｜5～7.2mm 5.9gを高価買取しました。の買取実績

査定員のコメント

お預かりしたアコヤ真珠のブローチは、まさにミキモトの伝統的な美意識と技術力を体現する、卓越した逸品でした。ブローチは、真珠の品質に加え、デザインの芸術性が最も問われるジュエリーです。

アコヤ真珠は、日本の真珠の代名詞であり、特にミキモトが誇るアコヤ真珠は、真珠層（マキ）の厚さから生まれる深みのあるテリ（輝き）と、繊細な干渉色（オーロラ効果）が特徴です。お客様のお品は、真珠内部から光を放っているかのような力強いテリと、真円に近い完璧な形状を保っていました。

銀座のお客様は、ジュエリーを「美術工芸品」として、その歴史的・デザイン的価値をも評価されます。ミキモトのブローチの価値は、真珠の最高レベルの品質と、それを支えるミキモトのデザイン、貴金属の細工の緻密さに集約されます。ミキモトは、真珠の美しさを最大限に引き出すよう、高品位な貴金属（プラチナやゴールド）を贅沢に使用しており、その貴金属の資産価値も今回の査定額に大きく反映されています。

特に、このブローチは、真珠の表面に日常的な摩耗による目立つキズがほとんど見当たらなかったこと、また裏側のピンや留め具の機能が健全であったことは、大切に保管されていた証拠であり、最高額査定の重要な要因となりました。今回の査定額は、その最高品質としての稀少性と、ミキモトというブランドが保証するデザインの普遍性を反映したものとなります。

査定ポイント

私たちプロの査定員が、お客様のミキモトのアコヤ真珠のブローチの価値を判断する際、その最高級真珠の特性とミキモトというブランドの付加価値に基づいた、極めて厳格な専門基準で価格を決定しています。以下の5つの評価基準を具体的に解説いたします。

1. 「テリ（輝き）」の強さと「マキ（真珠層の厚さ）」

アコヤ真珠の核となる評価基準です。テリが強いほど、真珠層が厚い（マキ厚）ことを示します。ミキモトでは、真珠の奥から湧き出るような深みのある輝きを最重要視します。

• チェックポイント： 真珠全体を回転させ、表面に映り込む光がシャープで鮮明なエッジを持つか、そして光の奥に複雑な干渉色（オーロラ効果）が見られるかを確認します。

2. 真珠の「カタ（形状）」と「キズ（表面の瑕疵）」

最高級アコヤ真珠は、真円（ラウンド）に近い完璧な形状と、瑕疵（キズ、エクボ、シワなど）が極めて少ない滑らかな表面が求められます。

• チェックポイント： 真珠の真円度を厳しく確認します。高倍率のルーペを用い、真珠の表面全体に、目立つエクボや擦り傷がないかを徹底的にチェックします。

3. モチーフの「芸術的価値」と「貴金属の細工の緻密さ」

ブローチの査定において、真珠の品質と並んで重要視されるのが、デザインモチーフの価値です。ミキモトの貴金属細工の緻密さとモチーフの芸術的価値を評価します。

• チェックポイント： モチーフに施された彫金や線細工の緻密さをルーペで確認します。真珠の配置バランスが美しく、ミキモトらしいデザイン様式が保たれているかを見ます。

4. 裏側の「ピンと留め金具」の機能性と安定性

ブローチの機能の中核であるピン（針）と留め金具の耐久性は、ブローチの実用的な価値を左右します。ミキモト純正の金具の耐久性の保持を評価します。

• チェックポイント： ピンの先端が曲がっていないか、ロータリーキャッチがスムーズに回転し、しっかりとロックされるかを確認します。真珠が台座にぐらつきなく強固に固定されていることも不可欠です。

5. 真珠の「サイズ（大粒性）」と「貴金属の資産価値」

アコヤ真珠は、直径が大きい（大粒）ほど稀少性が高まります。また、ブローチ全体の貴金属の総重量を測量し、地金価値も評価します。

• チェックポイント： 真珠の直径を精密に計測し、大粒であるかを確認します。裏側の金具に打たれたミキモトのブランド刻印と貴金属の品位刻印が鮮明にあるかを確認します。